~ご家族の想いを法的に“形”にするために~
久しぶりに宮崎を訪れ、静かな墓地で手を合わせました。故郷にもう住む家族はいないものの、年に二度はこの地を訪れることを心がけています。亡き父や祖先に思いを馳せる時間は、「今の自分の生き方やこれからの準備」を考える貴重な機会です。

一般的に多いお墓参りの時期
春彼岸(3月)
春分の日を中日とした前後3日間を含む7日間。
「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」とされ、全国的にお墓参りの最盛期です。
お盆(8月)
ご先祖様の霊が帰ってくるとされる時期。
地域によっては7月(東京など)、8月(全国的に多い時期)に行われます。
秋彼岸(9月)
秋分の日を中日とした前後3日間を含む7日間。
「祖先を敬い、亡くなった人々をしのぶ日」とされています。
命日・祥月命日
故人の亡くなった日(命日)またはその月(祥月命日)。
家族だけで静かに手を合わせる機会として大切にされています。
お正月・年末
年の節目にお礼や報告の意味を込めてお墓を訪れる方も多く、
新年のご挨拶や一年の感謝を伝える機会になります。
ひとことメモ
「いつ行くか」よりも、「心が向いたときに手を合わせる」ことが大切です。
ご先祖への感謝を季節ごとに思い出すことが、心の安らぎにつながります。
お墓参りは一般的にはお盆やお彼岸、命日に行われますが、私は「心が向いたときが最良の時」と思っています。4年前に父を見送ってから、91歳の母を神奈川へ迎え、宮崎の家を手放しました。三回忌の命日に母が階段から落ちて骨折し、幸いにもリハビリを経て回復しました。その経験を通して、「もしもの備え」の重要さを再認識しました。
父は生前、「戒名はいらない」「葬儀は家族だけで」と希望し、その通りに見送りました。一方、母は「宮崎のお墓に入る」「戒名は必要」「延命措置は望まない」と話しています。
すでに20年前に公正証書遺言を作成していましたが、最近になって内容を見直しました。ただ気になるのは、付言事項――すなわち、ご家族への想いや感謝を伝える“言葉の部分”が記されていないことです。
このように、同じ家族でも“考え方”や“望み”はそれぞれ異なるものです。 大切なのは、「本人の意思を整理し、記録に残すこと」。そして「家族がそれを理解し共有しておくこと」です。
遺言やエンディングノートは、その橋渡しとなる重要な手段です。 お墓や供養の在り方を含め、終活は“心の整理”と“手続きの準備”の両面から考える必要があります。
最近では、墓じまいや改葬、永代供養などの相談も増えています。これらは単なる事務的手続ではなく、家族の想いを尊重しながら、法的にも円滑に進めるサポートが求められます。
行政書士は、こうした終活(未来への準備)の場面で、ご本人やご家族の想いを「適正な書面と手続」によって形にするお手伝いをしています。
主な支援内容には次のようなものがあります。
・公正証書遺言の作成支援
・死後事務委任契約・任意後見契約などの文書作成
・墓じまい・改葬等に関する届出書類の作成支援
お墓参りは、過去を偲ぶ時間であると同時に、未来を整えるきっかけでもあります。 ご家族の想いや願いを法的に整理しておくことが、安心と信頼をつなぐ第一歩です。 終活や相続の準備について気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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