~申請後の「もしも」にも備える!法改正によるサポート体制の強化~
行政処分への不服申立ても安心!

前回、2026年1月1日に施行される改正行政書士法の「使命」と「デジタル職責」について解説いたしました。
第2回となる今回は、お客様の権利利益の実現に直結する、行政書士の実務的な権限の拡大について解説します。特に、お客様からの申請に対する不許可処分など、不服がある場合の「不服申立て手続き」において、私たち行政書士がより深く、そして幅広く関与できるようになります。この法改正は、行政への申請から、万が一の不許可処分に対する対応までを、一人の専門家として一貫してサポートできる体制を強化するものです。
1. 特定行政書士とは?行政書士の専門特化制度
今回の改正の主役である「特定行政書士」について、改めてご説明します。
行政書士は、行政手続きの代行や、権利義務・事実証明に関する書類作成を行う国家資格者です。特定行政書士は、その行政書士の中でも、法定研修を修了し、考査に合格した者のみに与えられる資格です。(行政書士の数約53,000人に対して特定行政書士の数は約10%程度)
この特定行政書士に与えられている特権が、「行政不服申立ての代理権」です。これにより、行政庁の違法・不当な処分に対し、申請者に代わって審査請求などの手続き(処分を争う手続き)を行うことができます。ここで重要なのは、不許可処分を受けた後の「再申請」は、通常の行政書士の基本業務として代理が可能であるのに対し、不服申立て(審査請求等)の代理権は、特定行政書士に限定されるという点です。今回の法改正で、この特定行政書士に限定された代理権の範囲が拡大されました。
2. 改正のポイント:不服申立て代理権の画期的な拡大
改正前の行政書士法では、特定行政書士が代理できる不服申立ては、「その行政書士が作成した書類に係る許認可等に関するもの」に限定されていました。
改正後は、行政書士が「作成することができる」官公署に提出する書類に係る許認可等に関する不服申立ての代理が可能になります。
この一文の違いが、お客様へのサポート範囲を劇的に広げます。
具体的な意味:お客様ご自身が作成した申請書類の不許可処分にも対応
具体的な例を挙げると、以下のケースで特定行政書士が不服申立ての代理ができるようになります。
- お客様ご自身が作成・提出した許認可申請書があった。
- その申請に対し、行政庁から不許可処分が下された。
- 改正後は特定行政書士が不許可処分そのものを争う審査請求などの代理が可能になる。
これにより、申請の段階で当事務所にご依頼いただいていなかった場合でも、申請に対する不許可処分後の不服申立てという重要な局面で、お客様をサポートできるようになります。
3. お客様のメリット:「申請〜不服申立て」のワンストップ対応
今回の業務拡大がお客様にもたらす最大のメリットは、手続き全体の安心感と迅速性です。
申請に対する不許可処分が出た場合、申請者様は精神的にも時間的にも負担がかかります。特定行政書士に一貫して任せられれば、その負担が軽減され、処分を争う場合まで最初から最後まで責任を持ったサポートが実現します。
| 項目 | 旧制度 | 改正後 | お客様のメリット |
| 代理権の範囲 | 作成した書類に限定 | 作成できる書類に拡大 | 申請に対する不許可を争う際も対応可能 |
| サポート体制 | 申請と不服申立てで専門家が変わる可能性 | 一貫したワンストップ・サポート | 経緯説明の手間がなく、迅速な対応が可能 |
| 対応内容の明確化 | 再申請と不服申立ての区別が不明瞭になりがち | 不服申立てまで責任をもって対応 | 手続き全体を見通した戦略を立てられる |
4. 【ご報告】特定行政書士として、より強固なサポートをお約束
さて、ここで皆様にご報告がございます。
この度、私、行政書士 白瀬 和意(行政書士しらせ法務事務所) は、法定研修を修了し、特定行政書士の資格を取得いたしました。
今回の法改正により、特定行政書士の職務はさらに重要性を増します。私は、この業務拡大を機に、お客様が行政手続きの過程で直面するあらゆる課題に対し、申請の準備段階から、万が一の不許可処分に対する異議申立ての局面まで、ワンストップで、より専門的なサポートを提供できる体制を整えました。
国民の権利利益の実現という新しい使命を果たすべく、特定行政書士として、お客様の未来を強く支えていく決意です。
【第3回予告】
次回は、法改正に盛り込まれた「無資格者による業務制限規定の趣旨の明確化」について解説します。「コンサルタント」などと称する無資格者による違法な書類作成代行(非行政書士行為)のリスクと、行政書士に依頼する安全性をテーマにお届けします。
【免責事項】
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。記載には十分配慮しておりますが、法改正等により最新でない可能性があります。
具体的なご相談やお手続きは、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
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