~どこを探し、見つけた後どう扱うか~

この記事では、遺言書を探すときのチェックポイント、見つけた後にやってはいけないこと、種類ごとに変わる取り扱い方法をまとめています。
■ 遺言書の確認方法は「種類」によって異なる
遺言書は、公正証書形式で作成されたもの、法務局で保管されているもの、自宅に保管された自筆証書など、形式によって確認すべき場所が異なります。まずは以下の方法で「存在の有無」を確認します。
まずは、“外部機関で管理されている可能性”があるかを優先的に確認します。
公正証書遺言・自筆証書遺言(法務局保管制度)の確認方法
• 公証役場では、検索・照会が可能。
• 署名捺印済みの「正本」や「謄本」が自宅で見つかる場合もある
自宅内・自宅外で探すべき場所(自筆証書遺言の可能性がある場合)
① 自宅内で探す場所
• 書斎の机、タンス、引き出しなど通帳・印鑑と同じ場所
• 重要書類をまとめたファイルや金庫
• 家計を管理していた人の“いつも使う場所”
通帳・保険証券・土地の資料など財産関連の書類と一緒に保管されていることが多くあります。
② 自宅外で探す場所
• 信頼している家族・親族の手元
• 長年付き合いのある金融機関・保険会社の担当者、銀行の貸金庫
• 生前に相続対策等を相談していた行政書士・司法書士・税理士など専門家の事務所
• 介護施設入居前に実家から持ち出した可能性がある場合も要確認
見落とされがちな場所として、施設入居時の荷物、遠方の実家、別宅などに保管されているケースもあります。
■ 遺言書を見つけた後の注意点(最も重要なポイント)
遺言書を発見したあとは、「どの種類の遺言か」によって、家庭裁判所での検認の要否が変わります。
公正証書遺言・自筆証書遺言(保管制度利用)の場合
家庭裁判所での検認は不要です。公証役場で謄本等を取得し、そのまま相続手続き(預貯金や不動産の名義変更等)へ進めます。
自筆証書遺言(保管制度を利用していないもの)の場合
家庭裁判所での検認が「法的義務」ですのでご注意ください!
相続人は家庭裁判所に申立てを行います。検認を経ないまま手続きを進めると、金融機関や法務局で受け付けてもらえず、紛争の原因にもなります。
自筆証書遺言書の封印と開封についての注意
封筒に入れて封をすること自体は、法律上の必須要件ではありません。民法上の方式(全文の自書・日付・署名・押印など)を満たしていれば、封入していなくても遺言としては成立し得ます。
しかし、封印された遺言書を見つけた場合、勝手に開封することはできません。必ず家庭裁判所で開封します。
なお、家庭裁判所以外で開封すると過料(5万円以下)の可能性があります。「封がある遺言書は触らず家庭裁判所へ」――この一点を覚えておくことが大切です。
封が切られている状態で見つかった場合でも検認が不要になるわけではありません。発見時の状態を撮影し、封筒・付箋などはそのまま保存し、開封状況をメモしておくとよいでしょう。
■ 次回予告:家庭裁判所での検認手続きへ
次回は、“家庭裁判所における検認手続きの流れ・必要書類・注意点” を解説します。検認は遺言の有効・無効を判断するものではなく、「いつ・どのような状態の遺言書が存在したか」を確認・保全するための手続です。当事務所では、遺言書の探索アドバイスから照会・検認申立て書類の作成支援まで丁寧にサポートしております。お気軽にご相談ください。
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